2008年9月 の記事一覧

大型巻き網船導入について 代表取締役社長近藤一成がインタビュー 日経産業新聞に掲載

2008年9月18日

水産庁が遠洋でカツオなどをとる海外巻き網漁船の大型化を試験的に認めたことを受け、大型船導入の動きが相次いでいる中、弊社代表取締役社長の近藤一成が、狙いや展望についてインタビューを受け、2008年9月18日の日経産業新聞に掲載されました。

記事抜粋

-大型巻き網造船の概要は。-  
23億円を投じて来年三月に完成する予定だ。特に重視しているのが省エネ。大型化しても燃料代が上がらないように、造船所、エンジン、冷凍機、油圧装置、航海計器メーカーなどに知恵を出してくれるようお願いしている。船体は波を切りやすいバトックフロー型を採用する。

-海外の巻き網業界では、魚群を寄せるための人工浮漁礁の規制が予想される。-  
ヘリコプターを搭載して(魚群の)調査効率を上げたい。外国船は通常、三隻か四隻でヘリをシェアしている。

-とれたカツオなどの用途は。-  
これまではカツオ節業界の需要にあわせて、品質で勝負し、ある程度値段も確保されるという道を歩んできた。だがペットフードや缶詰などにも活路があるかもしれない。大型船によってその可能性に挑んでみたい。もうかるかどうかより、まず、将来生きる道を探したい。

-大型化では資源保護も求められている。-
(小型メバチの混獲防止などのため)漁網の網目をかなり大きくして、小魚を網から抜けさせる実験にも取り組む。水産庁には日本の学者の発言力高める意図があるのだろう。我々も漁業を永続的にやりたいわけで、資源を守るという姿勢は鮮明に出していかなければならない。

大型漁船造り自前調達 カツオ・マグロ争奪激化に対応 2008年9月8日 日経新聞掲載

2008年9月 8日

記事全文

マルハニチロホールディングス(HD)、極洋など水産大手は初めて大型漁船を建造し、来春から順次操業する。カツオ・マグロ漁向けで、積載量は現在保有する漁船の約1.5倍。年間漁獲量は最大3割増える見通し。世界規模で食糧争奪が激しくなるなか、自前で効率よく水産物を調達し、加工製品を安定的に生産・販売する。燃料高による採算悪化を抑える効果も期待する。水産庁は水産資源枯渇を防ぐため、積載量が780トン以上の大型漁船の建造を認めてこなかった。しかし海外で漁船が大型化している実態を踏まえ、5月に条件付きで大型化を認める方針に転換した。今回の大型船建造はこれを受けた動きの第一弾で、今後は他社にも広がりそうだ。
マルハニチロHD子会社の大洋エーアンドエフ(東京・中央)、極洋のほか、漁業大手の福一漁業(静岡県焼津市)が1隻ずつ新造し、10年までに稼働させる。総投資額は計約80億円の見通し。
各船の最大積載量は1,100~1,200トン。マルハニチロの年間漁獲量は、現在の約28,000トンから約3割、増える予定だ。
新船は1回の航海で従来以上の連続操業が出来る。帰港回数を減らすことで燃料費抑制にもつながる。
極洋は年間5,000万円程度の削減を見込む。
日本の水産会社の調達の中心は海外船からの買い付け。しかし世界的な水産物需要の急増で、海外勢に買い付け額で競り負ける「買い負け」現象が起きている。買い付けるより自社操業の方が調達コストを抑えられる利点も見込まれ、建造コストを負担してでも調達の安定度を高める必要があると判断した。